理事長所信

理事長所信

【はじめに】

71年前、明るく雲一つない晴れ渡った朝、死が空から降り、世界が変わってしまいました。原爆投下による閃光と炎の壁が都市を破壊し、かけがえの無い多くの命を奪ったのです。2016年5月27日、現役の大統領として初めてオバマ大統領が広島を訪問し、未来に向けてのメッセージが世界中に発信されました。ここに世界平和に向けて一つの転機を迎えたのではないでしょうか。青年会議所の目的である『明るい豊かな社会』とは恒久的に平和な社会を築く事です。戦後より大きく復興をとげ、我々の生活は豊かになってきました。しかしながら、物質的に豊かになっていく中で、この国に住まう我々の『心』の部分は本当に豊かになったのでしょうか。最近の社会情勢をみると、無差別に人を殺傷する、躾の意味をはき違えた親がわが子の命を殺める、震災の混乱時に空き家を狙っての空き巣被害など、人道的に許せない行為の事件が多発しています。これは近年増加しており、深刻な社会問題となっています。今の社会は先人たちが望んだ平和な社会なのでしょうか。今を生きる我々にはもっと『心』の成長が必要なのです。それが出来るのは我々JAYCEEなのです

【まちの未来の創造】

我が国は、平成20年をピークに人口減少局面に入っており、減少幅は年々拡大しています。また、平成27年の出生数は晩婚化・晩産化の進行等により100万5656人と前年に比べて若干の増加となったものの、依然として少子高齢化の傾向は進んでいます。同時に、東京圏への11万9000人の転入超過が進み、これは4年連続して増加しており、東京一極集中の傾向が加速化しています。地方においては人口減少・高齢化が進行し、生活サービスも低下してきています。しかしながら地方の住民は生まれ育った地域で暮らし続けたいという強い思いがあります。また、田園回帰の動きが若年層を中心に出てきており、農山漁村や中山間地域等の暮らしを見直す気運が高まってきています。岩国市においても少子高齢化に伴い、生産人口数は9万人を下回り人口減少は進む一方です。このまちに住まう人々は岩国の未来をどのように考えているのでしょうか。岩国市は多くのソーシャル・ストックを有しています。ソーシャル・ストックとは地域において過去から現在、現在から未来へと受け継がれる、その地域特有の感性から生まれたものの事をいいます。 歴史・文化・伝統・習俗・景観などの資産はそこに住み暮らす人々がいたからこそ生まれ継承してきた物であり、そのまちで生まれ育った人々に宿るDNAなのです。地域が大切にしてきたものによって活かされる、つまりは付加価値をつけると同時に、市民と資源をつなげるものでもあります。そこにしかないものだからこそ、画一的なまちづくりではなく他とは違うまちづくりを可能にし、地域色が豊かになることによって差別化を図り魅力あるまちが創られるのです。

『このまちの未来を創造するのは我々一人ひとりである。』

このまちの未来にむけ、市民一人ひとりがより主体性を持ち地域に貢献していかなければなりません。このまちに住まう我々がこのまちの未来にむけ積極的にまちづくりに参画していく事が明るい豊かな社会に繋がっていくのです。

【会員の資質向上】

近年の青年会議所をとりまく環境は厳しく全国的にも会員減少が叫ばれています。青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代、今は青年会議所でもいい時代となり様々な団体が活躍するようになりました。これは社会貢献活動の方向性を自由に選択できるくらい豊かになったという事ではないでしょうか。しかしながら我々は明るい豊かな社会を創造する唯一無二の団体なのです。我々の使命は青年が積極的な変革を創造し開拓するために能動的な活動ができる機会を創造することです。目的を達成するべく、会員一人ひとりがその自覚を持ち、青年会議所の運動意義をもっと理解し、人生の学び舎たるこの場所で自分自身の成長に繋げていかなければなりません。目的目標を踏まえ、より戦略的に青年会議所活動を行い、学んだ知識や経験を通して社会性や物事の本質を見抜く力を養い自らの価値を高めるのです。

『青年-それはあらゆる価値の根源である』

我々は青年である。責任世代として素晴らしい未来を残していかなければなりません。先人たちが責任を果たしてきたように、時代を先駆けるJAYCEEとしてあらゆる価値の根源となるためにも、我々は成長し続けるのです。

【次世代の育成】

 今の子ども達を取りまく環境は、我々が育ってきた環境とは大きく異なってきています。少子高齢化や核家族化の増加により地域全体で子ども達を共育する事が減少し、個々の家族が子育てを行うようになる事で情報交換も減り、偏った価値観が生まれているように感じます。そのような現在、次世代を担う子ども達におきる痛ましい事件が多発しています。10年前に約3万件だった児童虐待発生数は10万件を超え、さらに虐待による子供の死亡率も年々増加しています。また未成年による犯罪も年々増加し、簡単に尊い命を奪われています。このような事件の背景には今の子ども達、子を持つ親が持つ倫理観や道徳意識が大きく欠如しているのが要因ではないでしょうか。古来、日本人は日本独自の精神性である相手の息災を気にしてひと言声をかけるというような利他の精神、なんの見返りも期待せずに自分が持っているものを分かち合う互助の精神がありました。何時の頃からか自分の価値観だけを肯定し、主観だけで物事をとらえるようになり、日本独自の精神性が薄れてきたのではないでしょうか。子ども達には日本独自の精神性を学び『ゆたかな心』を育んでいかなければなりません。環境が子供たちの価値観に大きく影響します。どのようなところから学ぶのでしょうか。家庭、学校、友人関係からでしょうか。子ども達は様々な場所での経験が大きく成長していくのです。また、親世代である我々も子を持つ親として、倫理観や道徳意識を見つめ直すことが必要ではないでしょうか。親と子どもが共に学び、成長していく事で子ども達の未来の可能性は無限に広がっていくのです。今を生きる子ども達には素晴らしい未来が待っているのです。

【組織の強化】

 岩国青年会議所は2017年で62年目を迎えます。戦後荒廃した中、地域社会及び国家の発展をはかり、会員の連携と指導力の啓発に努めるとともに国際的理解を深め、世界の繁栄と平和に寄与することを目的に設立されました。『明るい豊かな社会の実現』にむけ日々運動を続けていますが会員数は減少し、会員の多くは入会歴の浅いメンバーとなりました。それに伴いJC活動に対する猛烈な思いが薄れてきたのではないかと感じています。もっと我々はJAYCEEであることにプライドを持たなければなりません。プライドを持って行動すればおのずとJCに対する姿勢も社会のJCに対する期待も変わってくるのではないでしょうか。『このまちを豊かにするのだと』会員個々がもっと信念をもち行動するのです。そうすることで自分の行動は自信に繋がり、同じ理念を共有し行動する仲間を増やすことにも繋がるのではないでしょうか。個々の信念ある行動が大きなうねりとなり、岩国JCは決して揺るがない組織となります。

【発信力の強化】

私たちの活動やその目的、意義を知っている市民の方々はどの位いらっしゃるでしょうか。どんなに素晴らしい事業を始めたとしても、対外発信力が弱ければそれは私たち青年会議所の自己満足としか評価されないでしょう。私たちは対外発信力を強化し、地域社会における社会的認知度をもっと向上させる必要があるのです。広く社会に運動を周知するために、ホームページを充実させ、SNSと連動し、タイムリーな情報提供に努めなければなりません。また、プレスリリースを積極的に行い、各種広報媒体への掲載に繋げ、運動の浸透を図り、一人でも多くの市民に運動を伝えていくのです。そうすることで運動の推進力が高まり、市民意識変革運動の輪が広がっていくのです。

【おわりに】

「上善は水の如し(じょうぜんはみずのごとし)」
水はおのれの形にとらわれません。器を選ばず周りに合わす柔軟性をもっています。雲となり雨となり、条件次第で氷へと形を変える。しかしながら様々な姿に変化しようとも水はその特性や性質を失うことはない。
62年を迎える岩国青年会議所も時代の状況に合わせ変化し形を変えていく事もあると思います。しかしながら我々JAYCEEとしての本質はかわらない。どのような事態が起きようとも信念をもって、しなやかに行動する事が重要です。人生最後の学び舎たるこの場所で、自らの価値を高め、明るい豊かな社会の実現にむけ一年間邁進してまいります。

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